野球のリハビリ

野球で故障しやすいのは、やはり肘と肩です。肘と肩のリハビリついてお話します。

野球肘の症状

  • 野球の投球時や投球後に肘が痛い
  • 日に日に増す肘の痛みがある
  • ある1球を投げたときに急激に痛い
  • 肘関節の曲げ伸ばしがスムーズにできない
  • 全力で投球できない

野球肘の原因

野球肘の障害は、肘の外側、内側、後側の3つの部位別に大きく分けられ、年齢によって損傷される部位が異なるという特徴があります。
投球動作中では、肩関節が最大外旋した時と、リリース(ボールを離したとき)直後で肘関節に負荷が掛かります。
野球肘になる原因は、投げ過ぎや投球動作のクセにより肘へ過度な負担をかけていることが考えられます。

こどもの野球肘

こどもの骨は未成熟で発育途上のため、弱くて傷つきやすく、骨が成熟した大人には起こらない障害が起こります。「成長期の小学生~中高生」に発生しやすく、小学生では肘の内側の痛みは約20〜30%の発生率と言われています。この時期は特に注意が必要です。
こどもと大人で障がいが発生する部分が変わります。こどもから大人へ成長するにつれて肘の中で最も弱い部位が変化し、この弱点に障がいが起こりやすいためです。

野球肩の症状

  • 投球時や投球直後の肩の痛みがある
  • 練習が終わってからの肩が痛い
  • 投球した翌日に肩の痛みが現れる
  • 肩を上げられない、回しにくい
  • 肩を動かしたときの引っかかる感じがある
  • 肩の不安定感、脱力感、疲労感がある
  • 投球開始直後は痛いが、投げ続けると和らぐ

野球肩の原因

野球肩は投げすぎやフォームによって起こる肩の障害です。
痛みで腕が上がらなくなったり、肩の痛みがありますので、当てはまる方は受診をおすすめします。
(激痛でなくても症状が進行している場合がありますので、少しでも調子が悪いと感じた場合は受診しましょう)

リハビリテーションの流れ

当院での野球肘や野球肩の治療は、第一選択として保存療法であり、投球を休止し、負担を断ちます。
保存療法での治癒が期待できないと判断された場合に手術療法が適応となります。
当院のリハビリテーションの一例を紹介します。

  1. 損傷部位の修復・治癒
  2. 肘の正常な屈曲-伸展可動域・アライメント修正により、肘外反ストレスの軽減
  3. 肘関節周囲や体幹・股関節をストレッチし柔軟性を向上させ、筋力を強化します。
  4. 全身のコンディショニング
  5. 投球フォームを修正し、肘にかかる負担を軽減させます。投球数や強度を徐々に増やしていき、復帰を目指します。

よくあるQ&A

正しい投げ方はありますか?
ボールの投げ方に関しては絶対にこれでないといけないといったものはありませんが、負担を減らしながら高いパフォーマンスが出しやすいフォームはあると考えます。学童レベルだと筋力の問題でできないのでは?とおっしゃる方もいますが、力の強さは投げ方には直接的には関与しないと考えます。むしろ学童期に正しい投げ方を覚えることで次のステージで身長や筋力が増えたときに球速などが劇的に上がるので、力に頼った投げ方をさせないことが重要と考えます。
痛みを取るためには休めと言われるのではないですか?
痛みの起こっている状態によります。特に急性炎症や骨折が起こっている場合は組織の安静が早期復帰のための条件にもなるため患部の安静を保ってもらうこともあります。状態によっては完全休養ではなく、部分的な制限をしながらの復帰となることもあります。
レントゲン上問題がなく大丈夫と言われましたが痛みが引かないのはなぜですか?
レントゲンには骨は写りますが、筋肉などの柔らかい組織は写りません。そのため、骨に問題がなくても痛みを伴うことがあります。特にフォームなどによって特定の組織に負担がかかっている場合はその問題を解決しないと痛みを繰り返してしまうことが多いです。その為理学療法士による介入が有効です。
おすすめのトレーニング方法を教えてください。

肘関節の可動域訓練

腕の筋肉の張りや硬さがあると肘の曲げ伸ばしが十分にできなくなります。
理学療法士が行う可動域訓練やセルフストレッチで肘まわりの筋肉の緊張をゆるめていきます。

手首のセルフストレッチ

自宅でできるストレッチをご紹介します。

  1. ストレッチをする側の腕を真っ直ぐ前に上げる
  2. 掌を上に向ける
  3. 指先を下に引っ張り30秒程保持する
  4. その他の腕の筋のストレッチも行い、腕全体の筋を柔らかくしていく
  5. 手のひらを手前に向けてストレッチ、そして手首を内側・外側に倒して同じように30秒ずつストレッチを行う。これを1日3回行う。

筋力トレーニング

投球動作のときに、肘関節にかかる負担を減らすために筋力の強化が必要です。
ゴムバンドを使ったトレーニングを紹介します。

  1. バンドの端を片足で踏み固定する。
  2. バンドを握る。
  3. 太ももに肘をつけた状態で拳を胸に引き寄せるように肘を曲げる。戻すときはできるだけゆっくりと。

骨粗しょう症
リハビリテーション科
スポーツ整形外科
整形外科



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