骨粗しょう症治療

骨粗しょう症とは

骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気です。骨粗しょう症により骨がもろくなると、転んで手や肘をついた、くしゃみをしたなどのわずかな衝撃でも骨折する可能性があります。
がんや脳卒中、心筋梗塞のように直接的に命に関わる病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折が原因で介護が必要になってしまう人も少なくありません。
骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状がないことが多く、定期的に骨密度検査を受けるなど日ごろから細やかな健康観察が必要です。

骨粗しょう症患者の傾向

骨粗しょう症は、ご高齢の女性を中心に年々増加しています。50歳以上の女性の4人に1人が骨粗しょう症といわれており、日本では約1300万人の方が罹患していると推定されます。
患者様の8割は女性となっており、ホルモンの分泌バランスが変化する更年期以降に多く見られます。
50歳前後から骨量が急激に減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗しょう症といわれています。高齢化社会の到来とともに今後さらに患者数は増加していくものと考えられます。
また 骨粗しょう症は脳卒中についで寝たきりの原因の第2位となっております(老衰を除く)。
骨粗しょう症を予防し、骨を健康に保つことは、健康寿命を延ばすことにもつながります。
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骨粗しょう症になりやすい方

  • 50歳以上の女性(特に閉経後)でやせ型の方
  • 急激なダイエット、食事制限をされたことがある方
  • あまり運動をしない方
  • あまりカルシウムやビタミンDを取らない方
  • 過度のアルコールやカフェインを大量に飲まれる方
  • 喫煙者である方
  • 日光にあまり当たらない方
  • 家族が骨粗しょう症と言われたことがある方

日本での骨粗しょう症の治療率は約10~20%と低いと言われております。
いかに優れた骨粗しょう症治療薬、強力な骨折抑制効果を有する薬剤があったとしても骨折危険性の高い高齢者のところまで届いていなければ、骨折予防効果を発揮することはできません。
骨折リスク患者様への積極的で継続的な骨粗しょう症治療を推進する必要があります。

予防の観点も考えれば50歳以上の女性であれば一度は検査をしておいた方が良いと考えます。また、過去に検査を受けた方でも1年以上間隔が開いている方もフォローアップの検査はしても良いかも知れせん。
骨粗しょう症はあまり症状の現れない病気ですが、何も対策をとらないと徐々に進行します。適切な治療や生活習慣の改善により、骨密度の低下をくい止めることができるのです。生涯をいきいきと生活するために、骨粗しょう症にぜひ関心を持ちましょう。

骨粗しょう症の検査

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当院では、太ももの付け根の骨と腰の骨を測定する全身DXA(デキサ)法による診断と血液、尿検査を行います。患者さんには検査着に着替えていただき、 およそ10分程度じっと寝ているだけの簡単な検査です。

従来のレントゲンで手の骨を測る方法や、超音波でかかとの骨を測定する方法よりも精度が高く、感度が高いため薬剤による治療効果判定にも非常に有効で日本骨粗しょう症学会の『骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン』でも、このDXA法を用いた計測が推奨されています。

骨密度検査、骨量測定を4か月~6か月に1回の割合で定期的に実施して評価します。

骨粗しょう症の治療

治療は、患者様に合わせて「薬物療法」「食事療法」「運動療法」を行なっていきます。

薬物療法

薬物療法
内服薬は、連日内服する薬・1週間に1回内服する薬・1ヶ月に1回内服する薬があり、その他にも点滴注射・局所注射・皮下注射など様々な治療があります。
患者さまの状態に合わせて薬剤を選択します。

・骨吸収抑制剤、調整剤
ビスホスホネート製剤:毎日、週に1回、月に1回内服する薬があります。
サーム(SERM)製剤:毎日内服する薬です。

・骨形成促進剤
副甲状腺ホルモン(PTH)製剤:骨の質を改善させる作用もある注射剤です。

・骨の質を改善させる薬
活性型ビタミンD製剤:腸でのカルシウム吸収を助ける作用もある内服薬です。

・カルシウムを補う薬
カルシウム製剤:食事で不足しがちなカルシウムを補う内服薬です。

食事療法

食事療法
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨密度を増加させる栄養素を積極的に摂り、骨を丈夫にするのが骨粗しょう症の食事療法です。

・カルシウム(牛乳、乳製品、大豆製品、小松菜、モロヘイヤ、干しエビ、しらすいわし ししゃも ひじきなど)
・ビタミンD(しらす干し、いわしの丸干し、鮭、さんま、うなぎ 干ししいたけ、きくらげなど)
・ビタミンK(納豆、緑茶、のり、ブロッコリー、しそ 春菊 きゃべつ にら、菜の花、かいわれ大根、など
・たんぱく質(肉類、魚類、大豆製品、乳製品 卵など)

カルシウムは食品として700~800mg/日、ビタミンDは400~800iu/日、ビタミンKは250~300μg/日を摂取することが推奨されています。
カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。
また、タンパク質の摂取量が少ないと骨密度の低下を助長しますので、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は注意しましょう。
栄養やカロリーのバランスがよい食事を規則的に摂るのが、食事療法の基本となります。

運動療法

運動療法
骨粗しょう症の運動療法は、個々に合った運動の種類、強度、継続時間、頻度で行うことが重要です。
①日光の下で15分間程度の散歩などの運動をしましょう。
骨に適度な圧力が加わると骨が強くなりますし、適度に日光に当たると、骨の吸収を良くするビタミンDが活性化されて強い骨を作るのに役立ちます。

②荷重のかかる運動をしましょう。
運動を続けると血液の流れが良くなるので、骨を作る細胞のはたらきが活発になります。
筋肉もきたえられ、身のこなしが良くなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。
高齢の方や骨が弱い方は、無理な運動をすると返って腰などを痛めることがあるので、簡単なストレッチや適度な筋力トレーニングと取り入れると良いでしょう。

当院では骨粗しょう症に対する薬物治療(注射も含む)と共にリハビリテーションにも積極的に力を入れております。
専門の理学療法士が日常的な運動を含め、効率的に骨密度維持・向上する運動指導を進めております。
運動不足を解消するだけでなく、転倒しない体づくりを理学療法士とぜひ一緒につくっていきましょう。

骨粗しょう症
リハビリテーション科
スポーツ整形外科
整形外科



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